医療従事者の方へ

医療従事者の方が、安心して患者さんを当スタジオにお預けいただけるよう、下記の内容をお読みいただけると幸いです。ご質問、ご指摘等があればいつれもご連絡ください。

当ヨガスタジオが患者さんにできること

当スタジオで行っているヨガは、『ヨーガ療法』というヨガです。基本的にエビデンスベースド(EBM)で行い、患者さんにはヨーガの専門用語を使わず、一般の方が理解できる言葉でわかりやすく説明し、実習を行います。個々にアセスメントを行い、インフォームドコンセント(IC)を得てから実習に入ります。

ポーズについて

安全性を第一にポーズを選びますので、疾患の悪化につながるようなポーズは選びません。逆立ちをさせたり、首に負荷をかけたりするポーズは行いません。ヨーガ療法学会が推奨するアイソメトリック(等尺運動)でポーズを行います。関節弛緩にも留意していますので、きれいにポーズをとることは行っていません。個人に合わせてアセスメントしてポーズを提供しますので、子供から90代の方まで寝たきりの方や車いすの方も行っていただけます。

リラックスについて

リラックスをしてはいけないような不安が強い人や、リラックスをすることで症状が出てしまう喘息等の場合、仰向けで長く休むようなリラックスは行いません。

瞑想について

瞑想を行う場合は、瞑想のメリットとデメリットをお伝えした上で、インフォームドコンセントをとり行います。特に、気分障がいや精神疾患がある場合は、状況を鑑みて指導計画に入れます。認知の変容を促すヴェーダ瞑想は最新の注意を払い行っていきます。主治医の意向をお伝えいただければ取り入れます。公認心理師でもありますので、最新の臨床心理学の知識も含めて判断します。

有害事象への対応

ヨーガ療法の有害事象は軽度のものがほとんどであると言われています(松下 岡 2015 *)。有害事象に対しては、十分に配慮しておりますが、有害事象が発生した場合、一般社団法人日本ヨーガ療法学会へ素早く報告し、対応を仰いでいます。もちろん、主治医への報告も行います。ヨーガ療法士の自賠責保険にも加入しています。
* A large-scale survey of adverse events experienced in yoga classes (Biopsychosoc Med. 2015)/当該研究に当スタジオも協力しています

エビデンスベースド(EBM)のヨーガ

ヨーガの歴史は古く、インドの伝統医学アーユルヴェーダと兄弟・姉妹の関係と言われているほど関連が強いものです。

1920年代から、インドでヨーガの効果の研究が始まり、現在では、インドのみならず、諸外国や日本でもヨーガを介入した研究がされています。

インド最大級のヨーガ研究所である、sVYASA(エスビヤーサ:SwamiVivekananda Yoga Anusandhana Samsthana)は、デカン高原にヨーガの研究施設と大学院大学をもっており、多くのヨーガの介入研究が行われています。ヨーガ療法学会(勉強機関:日本ヨーガ・ニケタン)はそのsVYASAと提携を結んでおり、sVYASAで学べるyoga therapyが日本でいわゆる心身症やストレス疾患に対処できる心身相関のヨーガとなりました。また、日本で学べるsVYASA大学の通信校(CODE)では、ヨーガ関連学部・修士の全過程が日本語でオンラインで学ぶこともできます。当スタジオのヨーガ療法士毛塚由希子は、日本の通信大学・大学院課程で講師を務め、自身もヨーガの効果を研究しています。

当スタジオで提供しているヨーガは、日本で唯一のヨーガの学術学会が推奨するヨーガ療法です。

統合医療の中のヨーガ

ヨーガは、厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業(eJIM)』の中で、心身療法に区分されています。

eJIMのサイトには、ヨーガに関する構造化抄録やコクランレビューが様々な疾患別に記載されています。ご利用いただけたら幸いです。

eJIMのウェブサイトより、以下のガイドのリンクをお付けしておきます。ご参照ください。

心身相関のヨーガ(ヨーガ療法)

特にヨーガ療法は、心身相関のヨーガと言われていて、ポーズによって体を整えることだけでなく、体を動かし呼吸を使って”今ここ”に集中するマインドフルネスの要素があります。意識を自分に向けながら行うポーズは、自分自身を客観的に意識する手掛かりとなります。

また、認知行動療法(CBT)のように認知の変容を促すヴェーダ瞑想法という手法もあり、認知が良い方向に変わることで、今後、病気を作らない心根を築くことができます。

セラピーとしての成立条件

当スタジオのヨーガ療法が、療法(セラピー)として成り立つ理由は以下の通りです。

  1. 古ウパニシャッド聖典群(ヨーガの聖典)の人間観と病理論にもとづくアセスメント
  2. そのアセスメント(医学的でいう診断)に基づく指導プラン
  3. プランに伴ったインフォームドコンセント
  4. ヨーガ技法指導(医学的に言う治療)のための技法論
  5. 効果測定(独自のアセスメント法+信頼性妥当性のある心理審査)

当スタジオでは、日本ヨーガ療法学会の規定通り、以上の条件をすべて行っています。

一般社団法人日本ヨーガ療法学会認定ヨーガ療法士

日本ヨーガ療法学会の認定を得ているヨーガ療法士として、約20年活動しています。ヨーガ療法士になるには最低でも3年のカリキュラム(ヨーガ、簡単な医学、簡単な心理学)を勉強し、20名の症例、卒業論文を書く必要があります。ヨーガ療法士の認定は4年に1度の更新制となっており、その間ポイントを取得するために、自分自身のヨーガのみならず、初回インテーク面接やアセスメントなどの練習、最新の医学・心理学・研究の状況も学び自己研鑽がヨーガ療法士であるための必須条件です。そのほか、団体の詳細は、(一社)日本ヨーガ療法学会のHPをご覧下さい。

一般的なヨガインストラクターは、資格を得るために、体を動かすことをメインに学び、ポーズの取り方を指導できるようになることを一義と考えますが、ヨーガ療法士は、クライエントに寄り添い、主治医がいれば主治医の意思を尊重し、医療・心理・社会面で協働していけるよう教育を受けます。

当スタジオのヨーガ療法士(公認心理師)

毛塚由希子(けづかゆきこ)…認定ヨーガ療法士として、当スタジオでヨーガ療法を伝える傍ら、公認心理師、sVAYASA大学講師、ヨーガ療法士育成講師としても活動しています。気分障がい、精神疾患、がん、認知症、循環器疾患他、身体的な疾患(慢性疼痛や線維筋痛症含む)、ストレス疾患、いわゆる心身症に至るまで、様々な疾患をお持ちのクライアントさんとヨーガを行ってきました。東洋大学大学院総合情報学の博士課程で、アルコール依存症に対するヨーガの効果を研究しています。2024年8月にはモンゴルで開催されるアジアヨーガセラピー会議で登壇するなど、2015年より世界各国で行われるヨーガ療法に関する学術的な集まり、心身医学の国際学会などに積極的に参加、研究発表をしています。NPO法人日本ヨーガ療法士協会埼玉支部の幹事長として、埼玉県のヨーガ療法普及に貢献しています。

ご質問等ございましたら、お問い合わせください。

地域医療の中で協働し、患者さんや医療従事者のお役に立つことができれば幸いです。

ぷるなよが 毛塚由希子